高齢者になると睡眠時間が長くなると感じたことはありませんか?
「年のせいだから仕方ない」と思われがちですが、実は高齢者の睡眠が長くなる背景には、加齢による身体の変化だけ
でなく、生活環境や体調、病気の影響などさまざまな理由があります。
介護福祉士・ケアマネジャーとして多くの高齢者と関わってきた経験をもとに、本記事では高齢者の睡眠が長くなるの
はなぜなのかをわかりやすく解説し、注意すべきポイントや家族・介護職ができる対応について紹介します。
高齢者の睡眠が長くなるのはなぜ?
高齢者になると睡眠時間が長くなるのはなぜなのか、介護施設でも相談を受けることがあります。
加齢により体力や活動量が低下すると、疲れやすくなり休息の時間が増えがちです。
また、夜間に深い睡眠がとれず、昼間に眠って補おうとすることで、結果的に睡眠時間が長
くなるケースもあります。

高齢者の睡眠は「時間」だけでなく「質」にも目を向けることが大切です。
高齢者に多い睡眠障害とは
高齢者の睡眠が長くなる背景には、睡眠障害が隠れていることもあります。
夜中に何度も目が覚める中途覚醒や、朝早く目覚めてしまう早朝覚醒は、高齢者によく見ら
れる症状です。その影響で夜に十分眠れず、日中にうたた寝が増えてしまいます。
介護の現場では「寝ている時間が長い=よく眠れている」とは限らないケースを多く見てき
ました。
高齢者の理想の睡眠時間はどれくらい?
高齢者の理想の睡眠時間は、一般的に6〜8時間程度とされています。
ただし、年齢や体調、生活環境によって個人差が大きく、「何時間眠れば正解」というもの
はありません。
介護現場では、睡眠時間の長さよりも、起きている時間に元気があり、レクリエーションを
楽しめているか?食事摂取量の低下はないか?等を重視しています。
睡眠時間が多少長くても、日中の生活に支障がなければ問題ないことも多いです。
高齢者の睡眠と昼寝の上手な付き合い方
高齢者の睡眠が長くなる理由のひとつに、昼寝の影響があります。
夜間に眠りが浅くなると、日中に強い眠気が出て、自然と昼寝の時間が増えてしまいます。
昼寝そのものは決して悪いものではなく、短時間であれば体力の回復や気分転換につながる
こともあります。
ただし、長時間の昼寝や夕方以降の居眠りが習慣になると、夜に眠れなくなり、さらに睡眠
リズムが乱れてしまうことがあります。
介護現場では、昼寝は30分程度までにし、できるだけ午後早い時間にとるよう勧めること
が多いです。無理に起こす必要はありませんが、声をかけて体を起こす、カーテンを開けて
明るくするなど、生活にメリハリをつける工夫が、結果的に夜の睡眠の質を高めることにつながります
睡眠の質を上げる方法
高齢者の睡眠が長くなるのを防ぐには、睡眠の質を上げることが重要です。
日中に適度な運動や外出を取り入れることで、夜に自然な眠気が出やすくなります。
また、昼寝をする場合は短時間にとどめることで、夜の睡眠リズムを崩しにくくなります。
介護現場でも、日中の活動量が増えると夜の睡眠が安定するケースを多く経験しています。
規則正しい生活を心がけ、心身の活動を取り入れることが大切。
より良い睡眠のために意識したい生活習慣
より良い睡眠のためには、生活リズムを整えることが欠かせません。
毎日同じ時間に起き、朝に日光を浴びることで、体内時計が整いやすくなります。
寝る前のテレビの使用を控え、静かな環境をつくることも大切です。
介護の現場では、就寝前の声かけや安心できる習慣づくりが、睡眠の質向上につながること
もあります。
高齢者の快眠に役立つ快眠グッズ
高齢者の睡眠の質を高めるために、快眠グッズを取り入れるのも一つの方法です。
体に合った枕やマットレスは、寝返りを打ちやすくし、夜間の目覚めを減らす効果が期待で
きます。
また、特に冬は、寒さの訴えをされる方が多く見られ、腹巻きやレッグウォーマーなどで
体を冷やさない工夫も、介護現場ではよく勧められています。
就寝時間の数時間前からベッドに湯たんぽを入れ、ベッドの中を温めておくのもおすすめ。
しかし湯たんぽは直接肌にあたると、低音やけどの危険があるので、注意が必要です。
就寝環境や快眠グッズは、本人が心地よいと感じるものを選ぶことが大切です。
高齢者の睡眠と上手に向き合うために
高齢者の睡眠が長くなるのはなぜなのかを理解することで、不安を抱えすぎずに見守ること
ができます。睡眠時間だけにとらわれず、日中の様子や体調の変化を観察することが重要。
気になることがあれば、医師やケアマネジャーなどの専門職に相談しましょう。
まとめ
高齢者の睡眠が長くなるのはなぜなのかという疑問には、加齢による身体の変化だけでな
く、生活環境や睡眠障害、病気や薬の影響など、さまざまな理由があります。
睡眠時間が長いからといって、すぐに異常とは限りませんが、「以前と比べて急に変わっ
た」「日中の元気がない」といった変化が見られる場合は注意が必要です。
介護現場で多くの高齢者を見てきた経験からも、睡眠時間の長さよりも、起きている時間を
どう過ごせているかが大切だと感じています。
睡眠の質を意識し、生活リズムを整えることで、高齢者本人も家族も安心して過ごしやすく
なります。不安なときは、一人で抱え込まず、専門職に相談することも大切な選択肢です。


